低用量ピル

低用量ピル

低用量ピル

低用量経口避妊薬(低用量ピル)は可逆的避妊法の中で避妊効果において最も優れ、安全性の高い方法であるとされています。

この低用量ピルは卵胞ホルモンと黄体ホルモンの女性ホルモン2種類の合剤であり、そのホルモン量が時期によらず全ての錠剤で一定な"一相性"と3段階に変化する"三相性"の2つのタイプがあります。
また含まれる卵胞ホルモンの量や黄体ホルモンの種類にも製剤により多少の違いがみられます。

低用量ピルの慎重投与~服用禁忌の方

下記の項目に該当される方は服用を控えてください。

1)高血圧
2)喫煙
3)肥満
4)高年齢(40歳以上は慎重投与)
5)糖尿病
6)妊娠・授乳中
7)手術前・手術後
8)肝機能障害
9)てんかん治療薬など服用中

処方手順

低用量ピル服用希望者が来院されれば
ピル
服用の目的の確認(避妊・月経痛・月経前症候群・月経不順・過多月経等)
費用の説明(1シート税込3,000円+初診料1,000円か再診料500円)
問診票を記入していただき、血圧、体重測定
問診票で問題なく、喫煙や肥満なく、血圧も異常なく投与できると判断
副作用、副効用についての説明
当クリニックで常備している薬剤、一相性(マーベロン28)か三相性(トリキュラー28)かの選択
まず1シート(1周期分)の投与
初回処方時の伝達事項
服用開始は月経1日目より、遅くとも5日目までに開始
毎日同じ時間帯での服用(朝なら朝の時間帯)
飲み忘れの対処法(Q&A参照)
月経様の出血の発来時期の説明
最初の1~2周期はマイナートラブルの悪心、乳房症状、不正出血があるが、その多くは3周期までに消失する。
重大な副作用の血栓症の症状(突然激しい頭痛、胸痛、ふくらはぎの痛み、視野の消失など)があれば、中止して直ぐに受診
性感染症予防にはコンドームの適正な使用が必要と指導
服用マニュアルの小冊子を血栓症カード渡して、次回来院時期指示する
2回目以降処方時の確認事項
1)
服薬状況
2)
体の状態、症状の変化
3)
血圧測定、体重測定(6か月毎)
4)
出血の状況
5)
性交渉のある女性は1年に1回の子宮がん検診を勧める(30歳以上は乳がん検診も勧める)
6)
処方は最大4シートとして、適時体調のチェック

副作用と副効用

主な副作用
ピル

①マイナートラブル
嘔気、嘔吐、頭痛、乳房の張り、不正出血などがみられることがありますが、軽度なら3周期目までに軽快することが多いと言われています。

②ガンになりやすくならないか心配
子宮頚ガン:長期間服用(5年以上)で、少し増加する可能性があると言われています。
乳ガン:増加しない

③重篤な副作用・合併症
静脈血栓塞栓症
低用量ピル服用により静脈血栓塞栓症のリスクは3~5倍増加するとの報告があります。
ただ危険度が数倍と言っても、増加する人数で表すと低用量ピル非服用者は1万人あたり年間0.5人発症、
これが低用量ピルの服用者では1.5人~2.5人で1~2人の増加となります。
発症は服用開始後4か月以内が多く、中止後3か月以内に非服用者のレベルに戻るとされています。
脳梗塞
心筋梗塞(喫煙者では更に危険性高まる)

対策
タバコはやめる
肥満対策を講じる
年齢により低用量ピルから他の薬剤に変更する
マイナートラブルが続くなら他剤に変更してみる
合併症の可能性があれば、即座に受診、治療開始
副効用(本来の避妊効果以外の身体に望ましい効果)

月経困難症・過多月経の症状改善
子宮内膜症の病態改善
卵巣癌・卵巣嚢腫・子宮体癌のリスクの減少

よくある質問

Q1)いくらかかるのです?
使用する前に採血などの検査が必要ですか?

初めての方は初診料(自費)1,000円、再診の方は再診料(自費)500円に低用量ピル1周期(1シート)につき自費で3000円(税込)かかります。
原則、チェックリスト記入のうえ、血圧測定、体重測定のみで、採血はありません。

Q2)避妊効果は100%ですか?

指示通りに服用しても100%ではありません。
1年間使用しての失敗率(妊娠率)は0.3%です。
ちなみにコンドームは2%、避妊子宮内リング0.1~0.6%、女性避妊手術は0.5%と報告されています。

Q3)ホルモン剤は怖いと言われますが、低用量ピルは大丈夫ですか?
女性

どんな薬でも必ず副作用はあります。
期待する治療効果に対して、起こりうる副作用の程度と頻度との天秤ですが、日本産婦人科学会のガイドラインでも安全性の高い薬剤であるとされています。
ただ100%安全とは言い切れません。起こりうる副作用に対して充分理解して、早い目の対応をお願いいたします。
副作用については別のコーナーで紹介、説明しています。

Q4)主人と話し合って2年間後には妊娠に持っていきたいのですが、ピルの服用をやめれば排卵はいつごろから起こりますか?

自然な月経の回復率は服用終了後1か月以内で約50%、2か月以内で約95%と報告されています。
長期間服用した場合には少し時間がかかることもありますが、通常3~4か月で回復します。
また最初の月経周期は内膜が薄くなることがあり、出来れば回復2周期目よりの妊娠をお勧めします。

Q5)胃が弱いのですが、ムカムカしたりしませんか?

嘔気、嘔吐、頭重感、乳房の張り、軽度の不正出血などの副作用(マイナートラブル)は服用1~2か月目に起こることが多く、3周期程度服用していると軽減する場合が多いと言われています。
軽減しない場合はホルモン組成や含有量の異なる他薬剤に変更することで解決することも多くみられます。

Q6)太ると言われていますが、大丈夫ですか?

低用量ピルを服用すると太りやすくなるとの思い込みをされている方がおられますが、これは事実でないことが証明されています。
ただ食欲が少し亢進する方がおられます。
そのような場合には食事内容に注意して下さい。

Q7)友達が他のタイプの低用量ピルを飲んでおり、調子いいと言ってそのピルを勧めてきます。
もらって薬を変更してもいいですか?

絶対にダメです。
絶対に友達からもらっての服用はしないでください。
必ず医療機関で問診を受け、服薬指導を受けたあと必要なら薬剤変更して服用してください。
低用量ピルには、ホルモン剤の組成パターンの違い、含有量の違い、ホルモン剤の種類などでいくつかの種類があり、それぞれには特徴がありますので説明を受けて、充分理解してからの服用が絶対に必要です。

Q8) 規則正しく来ていた服用後の月経様の出血が起こりません。
どうしたらいいですか?

妊娠している可能性がないのであれば、出血が起こらなくても2周期服用を続けてください。
2周期服用しても出血が起こらない場合には中用量のピルを10~14日間服用して一旦は出血を起こして仕切り直し、再度低用量ピルを再開していただきます。
妊娠していないかは充分チェックが必要ですが、もし妊娠に気づかずにピルを服用してしまった場合でも赤ちゃんへの影響はないと言われています。

Q9)このままでは毎月起こる月経様出血と旅行が重なります。
出血を遅らせたいのですが、どうしたらいいですか?
今は一相性のピルを処方されています。

簡単です。
一相性のピル(マーベロン、オーソM)を服用されているのであれば、ホルモン剤の入っていない錠剤(偽薬)を飲まないで、新しいシートのホルモン剤の入っている錠剤を旅行の最後の日まで服用ください。
服用終了後数日後に延ばしていた出血が起こるはずです。
ただ三相性のピルの場合には注意が必要ですので、必ず主治医とよく相談ください。

Q10)一相性か、三相性のピルかはどのようにして決めるのですか?

ホルモン量を少しでも減らす目的で、自然のホルモンの変化に合わせて3段階に変化させたのが三相性のピルです。
自然のパターンに近く不正出血を起こす可能性が低いとの印象を持たれている医師もおられます。
一方、一相性のピルは月経様の出血が旅行などと重なる場合には簡単に移動させることが出来、また月経前症候群の症状が軽減しやすいとの報告もあります。

Q11)パートナーがクラミジア性尿道炎(性感染症)と言われて治療していま す。
低用量ピルを服用しているので私は大丈夫ですね?

大丈夫ではありません。
低用量ピルは性感染症には対する予防効果は全くありません。
低用量ピルを服用していても粘膜面と粘膜面とが接触すれば性感染症(エイズ、クラミジア、淋菌、ヘルペス、コンジローマなど)はうつります。

Q12)飲み忘れたらどうしたらいいのですか?

1日分(1錠)飲み忘れた場合、気づいた時点で、ただちに飲み忘れた錠剤を服用し、その次の錠剤は通常通り服用します。
翌日に気づいた場合は、その日は2錠を服用することになります。
2日分(2錠)以上連続して飲み忘れた場合は服用を中止して下さい。
中止している間は他の避妊法を行ってください。
詳しくは低用量ピルのパンフレットを参照下さい。

診療内容について