
紹介状がなくてもかまいません。しかし、問診で“以前の病院で大丈夫と言われた”“少し調子悪いと言われた”だけでは不正確になり、大切な治療方針が決めにくいこともあります。紹介状があれば今までの検査結果、治療内容などが分かり大変助かります。ただ卵管の疎通性を調べる検査は通気通水検査では不充分ですので、透視下での子宮卵管造影をお勧めしています。この検査は軟らかいカテーテルを用いて行いますので痛みはあまりありません。

精液所見は周期によって多少の変動がありますので、異常があれば何回か検査を繰り返します。最終的に精子の数が少なかったり、運動率が悪いと診断された場合は精液所見を改善して妊娠しやすくする方法(薬物療法や症例によっては手術療法)を行う場合がありますが、効果は余り期待できず、そのままの精液所見で妊娠しやすくする方法(人工授精・体外受精)を選択する施設が多いようです。精子の数だけで言えば、1ccあたり(500〜)1000万匹以上なら濃縮して人工授精、それ以下なら一般体外受精、顕微授精を行っている施設が多いと思います。

AIHでの妊娠率は報告者によって違いがありますが、概ね患者あたり10%〜20%です。私が今まで行ったAIHで妊娠された方の平均回数は3.9回でした。妊娠率を大きく左右する因子としては排卵日の予測の精度と精液の性状があり、他に子宮の形態、卵管周囲の癒着の有無が考えられます。排卵日の予測は基礎体温を参考にしつつ、子宮頚管粘液検査、超音波検査による卵胞の大きさ計測、子宮内膜の厚さの計測、尿中の黄体化ホルモン(LH)測定、血中の卵胞ホルモン測定を行い、総合的に判断します。AIHを5〜10回行っても妊娠しない場合には検査の見直しや治療のステップアップ(体外受精や子宮筋腫があれば筋腫核出)も考えます。

いわゆる性病とは梅毒、淋病、軟性下疳、リンパ肉芽腫症をさしますが、最近では性感染症(STD)という言い方で性行為で伝播されるエイズ、梅毒、淋病、クラミジア、尖圭コンジローマ、性器ヘルペス、トリコモナス、カンジダ症、B型肝炎、C型肝炎や毛じらみなどの感染症をさします。とくにクラミジア感染症については若年者に蔓延しており、日本感染症学会(2004)の報告では高校生の11.4%の感染率が報告されています。放置すると子宮内膜炎、卵管炎を引き起こし、卵管閉塞による不妊症の原因になることがあり、充分な注意が必要です。

旅行や重要な行事で月経の開始日を調整したい場合、月経を早める方法よりも月経を遅らせる方法が一般的にはとられています。月経周期が順調な方は次回の予定月経日の3日前から、不順な方は5日前からのばしたい日までホルモン剤を服用します。服薬終了数日後に月経が起こります。

殆んどの一般不妊検査には保険がききますが、血中抗精子抗体検査は保険がききません。一般に異常がなければ、1回きりの検査として排卵に関与する中枢からのホルモン検査(3割負担として2000円)、子宮卵管造影(4500円)、精液検査(310円)、子宮鏡検査(2430円)です。そして各周期の排卵直前には血中卵胞ホルモン測定(1040円)、尿中LHホルモン検査(570円)、超音波検査(1600円)などを行います。精液検査はまず当院で行いますが、重度の乏精子症、無精子症などの症例は泌尿器科に紹介させていただきます。

基礎体温をつけておられるのであれば、体温表を持参して月経中に来ていただくのが一番です。当日の内診はありませんが、まず排卵に関与する血液検査をし、基礎体温を参考にして排卵日を推測して、次回受診日を指示させていただきます。また他の病院で検査されておられず、その周期に検査希望なら精液検査、子宮卵管造影などの検査の予約をとります。当院では2ヶ月間をめどに検査を終了し、本格的な治療を開始いたします。

不妊治療を受けようとされる方は、まず何も治療していない自然の周期を2ヶ月間測定していただければ、排卵の有無、排卵日、黄体機能などの重要な情報が得られ、今後の検査の日程決め、治療方針決定の大きな手助けにもなります。また治療開始後も無用な来院、無用な検査をしないためにも基礎体温を頑張ってつけられることをおすすめいたします。

自然排卵でも80〜120回の妊娠のうち1回は双子になると言われています。経口の排卵誘発剤を服用して妊娠した場合は、25〜30回に1回は双子とのデータがあります。勿論、体外受精で受精卵を複数個子宮内に戻せば更に双子の率は高くなります。

子宮の内腔を内視鏡(子宮鏡)で直接に観察する検査です。内腔に癒着がないか、筋腫、ポリープなどの突出病変や悪性病変がないかどうか、子宮の内腔の形が変形していないかどうかチェックします。不正出血、過多月経、不妊症などの症例で検査をすることが多く、検査は外来で2〜3分で終わり、痛みはほとんどなく、麻酔の必要もありません。当院では検査中に一緒にモニターを見ていただき、結果はすぐにプリントアウトしてお渡しいたします。